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W.SomersetMaughamとGeneゴ.You
西
村
嘉太郎
章
序
「らしい」という言叶が,「のようだ」「に似ている」という意朱でなく,「的」「らし さ」という意味に使われる场合,我々は非常に漠然とした一或は非常に主観的な一形容に使っている. しかし我々が,「彼らしいやり方」とか,「あの人らしい手纸」とかいう时,「彼」という人间,「あ の入」という入间の本来のものを,「やり方」「手纸」の中に漠然と感じていることも叉确かである. ではどうしてそう感ぜられるかというと,始めての入ではなくて,过去に於て夫肉の「やり方」「手纸」 に接したことのある人は,「彼」の行った数多くの行为,「あの人」の书いた数多くの手纸に现われた 特殊性と或种の共通なものを,目前の行为·手纸の中に见出すからである.即ち多くの中に现われた共 通性こそ,或入间の「彼らしさ」又思考方法,その表现形式の特殊性を判断する基准なのである.
さて我々がこの论文で,その共通性を知る手段として,S.MaughamのGenericYou(注1)を使
った表现の内容と形式について调べたのは,或作家が或効果をねらって同じように息を.こめて表现した
共通な表现形式は,我々がその作品に接して感ずる「彼らしさ」の本质の一つだと思うからに他ならな
い.
勿论Maughamに限らず,描写の生彩さを増す手段として(注2)G·Youを使うことは古くから
あり【注3】,その根本的性格は作者自身が亲しく読者に向って话しかける口语的色彩を含み【注4】, その场面に読者をひき込んで,描いたものを纳得させようという意図から邸たものであることは间违い
ない.しかし问题は,Maughamの场合或种の内容を持つものに多くこのG·Youを含む构文を使う
ということにある.即ち或内容の场合には表现の多様さを夸るのではなくて,同一表现形式に依って缲 返し読者に纳得させようとするのである.我々は之を描写说得力と呼ぼう.
この论文では,Maughamの短篇小说91【注5】の中からG·Youを含む例约700【注6】を,その
表现する内容に従って二章【注7】に分け,各章を前述の描写说得力の积极性の强弱に従い,含まれる 主たるG.Youの格によって,「自体がする立场」「自体がされる立场」「単なる自体の立场」の三 つの立场から节を设けた.そして夫々の节中の代表的文型を,やはり积匿性の强弱に従ってあげていっ
た.
【注1】GenericPersonと共にJespersenの用语.Phi耻sophyofGrammar215ff;M.E.G.》01.V11.
4·72·;玺讐壁tld§t§15.6参照.以下これらをG.You及びG.Personと略す.
【注2】TheIndefinite"you"ノinthedescriptionoflandscape,heightensthevividnessofthe
description.(Saitcs'PrecticalEnglisllGrammar.P.183)
【注3】0.E.D.の初例は1577年.(s.v.You皿.6.)そして英文法シリーズ6「格と人称」で宫部菊男氏 は,·「このYouは初期ModEにはそれ程広くは行なわれなかった」と云われる.(P.一127)
【注4】Genericyouisdistinctlycolloquiali臓tone,thoughveryfrequently,alsooutsideof
co靱versation.CM.E.G.vo1.VII.4.72.);Insteadoftlleformalonethepersonal pronouns,weandyoロ,areoftenusedinfamiliarspeechWiththesamemeaningof
genericPerssons;(Essentials.§15.61)これに対し英文法シリーズ4r代名词」で江川泰一郎氏
は,「このweとyouは文语'·口语を通じて极めて広く用いられる」(P.10)と云われるが,私见に よれば,文语と口语に现われるG.Youの意味·使用目的は,全く性格が异り∫要ぽ文脉と直接関系の
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福岛大学学芸学部论集第8号
19573
ある动词から判断されるべきで,动作动词の従う例などは,口语的と云うべきだろう.

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