『近世編１???江戸幕府の成立～統制機構』
59～60頁『江戸幕府の成立～幕府の組織?大名』
統一過程では、大坂の役の「冬が先で夏が後」その結果、戦国時代が終わったことを「元和偃武」という。江戸幕府の職制は重要。空欄補充ですべて覚える。譜代大名格の第１列と旗本クラスの第２列。ポイントは以下の通り。
(１)監察機構:大名監察＝老中－大目付?旗本?御家人＝若年寄－目付のライン。大目付の下に目付がいるのではない。朝廷監察は当然京都所司代。 (２)三奉行（寺社?町?勘定）中、最高格は寺社奉行（これだけ第１列）。 (３)勘定奉行は、幕府財政の他、幕領（天領）の訴訟に携わっている。勘定奉行の下に、郡代（関東?飛騨?美濃など要地）?代官がいる。 (４)城代とは将軍に代わって要地の城を預かる。具体的には二条（京都）?大坂?駿府そして伏見におかれた。 (５)遠国奉行は、幕府の要地におかれた。江戸の三奉行に対して言われる。具体的には長崎?佐渡?日光など。城代がいる大坂や京都におかれた町奉行も遠国奉行の１つである。 (６)老中?三奉行などからなる最高会議を評定所という。（鎌倉時代の評定衆との正誤問題あり。） (７)複数制?月番制である。町奉行だけでなく、老中以下も１カ月交替だった。大名とは何か（１万石以上で将軍と主従関係あり）。親藩（血縁）?譜代（関が原以前）?外様（関が原以後）の区別をしっかり。ポイントは、「外様は大きくて辺境に配置。幕政に参加できない」。外様最大は加賀藩。譜代最大は、幕末の井伊直弼がでた彦根藩。これは関西の私大で出題された。
御三家（紀伊?水戸?尾張）と御三卿（８代吉宗の子孫。田安?一橋?清水）や、大名と旗本?御家人の違い（１万石以上か未満か。「御目見得」以上か、以下か）が正誤問題で出る時がある。大名は当初有力な家臣に対して領地を与える地方知行制（じかたちぎょうせい）を取っていたが、後には蔵米を支給する俸禄制度となった。大名には軍役?参勤交代のほか、城郭修築や河川工事などを行う大名御手伝普請が課せられ、大きな負担となった。
61頁『統制制度』
61頁は我ながらよくまとまっている自信作。武家諸法度元和令と禁中並公家諸法度はともに起草者が金地院崇伝。元和令は秀忠の名でだされている。３代家光の時の寛永令は、鎖国とも結びついている。（64頁）つまり５００石積以上の大船建造の禁止は、同年にだされた日本人の海外渡航の禁止と連動。参勤交代は単独でも頻出。大名御手伝普請（60頁）とともに、大名に大きな負担となった。
参勤交代の結果、「五街道をはじめとする交通網（69頁）が整った」こと、また１６３５年の寛永令で参勤交代が制度化されたのであって、「慣例としてはそれ以前からあった」こと。そして、「すべての大名が在府在国１年交代ではない」（関東の大名は半年ごと。対馬の宗氏は３年ごと。役付き大名（老中など）は江戸常府）は正誤問題でくる。もし禁中並公家諸法度が史料で出題されたら、「紫衣事件→後水尾天皇退位」が聞かれる。あと武家伝奏（公家から２名で、幕府から役料をもらう、連絡係）は私大ではよくでる。
寺社は寺社奉行の監察下におかれた。（当然やろ。他に寺社奉行は何をするのか。）当初は各宗個別の寺院法度を出していたが、金地院崇伝の死後は、そんなややこしいことでは訳がわからなくなり、全宗共通の諸宗寺院法度（1665）を出した。
最大のポイントは、すべての人民をどこかの寺の檀家に強制した寺請制度である。各寺が檀家を記載した宗門改帳（のち宗旨人別帳）が戸籍の役割を果たした。この寺院が発行する身分証明書が旅行時のパスポートとなる。これが寺請証文である。諸社禰宜神主法度は、嫌がらせでタマ～に出るが、寺院関係をしっかりおさえておけばよい。農民統制について。田畑永代売買禁令（1643）は字を見れば内容は分かる。分地制限令は、「分割相続による田畑の細分化防止」がキーワード。田畑勝手作りの禁は、「たばこ?木綿?菜種」などの商品作物を本田畑に植えることを禁止した。慶安触書は、史料でなければ「日常生活にまで制限」という語がキーワードとなる。（尚、「慶安触書は1649年とよく言われているが、この年代には疑問が出されている。しかし受験ではまだ1649年と覚えておくのが無難）
これらの目的を問われたら、全て「本百姓体制を維持し、年貢を確保するため。」と答える。史料は重要。必ず確認すること。（『別館』の史料編参照）